園舎の脇に農業用水があります。
石垣があって、そこを登ると園舎の見える道路に出ます。
道路と言ってもほぼ関係者しか通らない道路です。
子ども達は降園後もそこを降りていき、水場で遊んでいたりします。
先日、その石垣の脇に穴が開いていて、明らかに穴を掘り、水を流して遊んだと分かりました。
いちばん上の石がぐらぐらしています。そのまま放置したら、石垣が崩れていきます。
その日お母さん達が上からおしゃべりしながら見ているのを知っていました。
「あ~お母さん達、この事態を何も分からずに見ていたんだ」と大変ショックでした。
そのままにしておく訳にはいきません。
農業用水ですから、治さなければなりません。
そこで、村いちばんの石工さんに来ていただくことにしました。
特に話をしてもらわなくても
昔の人達が水をどのように大切にしていたのか、
石を使って土留めをし、水路を作る知恵。
自分のことだけを考えていたら、農作業はできないことなど、
一緒にいるだけで感じてもらえるかもしれない、と思いました。
約束の今日。
やはり、時間より早く来てくださって水路を下の方からきれいにして
作業を始めておられました。
道具の使い方、体の動き、全体への配慮、本当に有難く、
一緒に作業に加わった子ども達もお母さん達も、いい時間を過ごすことができたと思います。
お蔭で水路も水場も気持ちよくなりました。
夏の子ども達の遊び場にもなります。
ありがとうございます。一二三さん。
「森の風がここにある」のはこのような人たちの歴史、暮らしがあって成り立っていることを
皆さんに本当に知って頂きたいのです。
それでも一つ大切なことがあります。
子ども達にとっては遊びでした。
穴を掘って水を流すと、穴が大きくなる。
そのことを子ども達は楽しくて何度も何度もやっていたのです。
そうしていたら穴が開いてしまったのですが
「子ども達にとって遊びは学び」という遊びをまさにやっていたんですよね。
こんな遊びを保証していたいですね。